A08-08:広告とSNSのアカウントは、会社の名義で持つ
広告は業者に頼んでも、アカウントは会社のもの。
求人の広告を出すことになり、SNSのアカウントづくりから業者に任せた。広告は順調に流れている。けれど、社内の誰も、ログインのしかたを知らない。そんなことはありませんか。
前の記事では、求人にも階段があり、弱い段から直していく話をしました。
求人編の最後は、その階段の記録を、誰が持つかの話です。
アカウントも、ドメインと同じ名義の話
SNSのアカウントや広告のアカウントは、誰かの名義で作られます。作成から任せると、頼んだ会社の名義や、そこのメールアドレスで作られていることがあります。
広告を流しているあいだは、困りません。困るのは、契約が終わるときです。アカウントは業者のもとに残り、会社からは触れなくなります。
ホームページの住所であるドメインを、制作会社の名義で取られていた話は、第1章でお話ししました。
アカウントも、同じ形の話です。
残るのは、フォロワーだけではない
アカウントが残ってしまうと、失うのはフォロワーだけではありません。
- 広告の記録:どの広告に、どんな人が反応したか
- 動画の記録:動画が、どこまで見られたか
- ページとのつながり:広告から求人のページへ、何人が来たか
頼む先が替わると、次の会社は、こうした記録なしで、ゼロから始めることになります。前の記事でお話しした「変える前の数字」が、手に入らなくなるということです。
社長が見られるのは、渡された権限の範囲だけ
任せきりにしていると、社長が見られる数字は、報告してもらった分だけになります。広告にいくら使い、何人に届き、何人がページへ来たのか。報告の外にある数字は、見ようとしても見られません。
ほかの人に見てもらいたくなったときも同じです。社内の担当者や、別の専門家に相談しようとしても、権限がなければ、画面を見せることができません。
業者が隠しているわけではありません。最初に、誰が持ち主で、誰にどこまで見せるかを、決めていなかっただけです。
頼む前に決めておく3つ
アカウントの名義は、頼む前に決めておきます。
- アカウントは、会社の名義で作る:会社のメールアドレスで作り、持ち主は会社にする
- 業者には、管理を任せる権限を渡す:持ち主ではなく、広告を出したり投稿したりする役として加わってもらう
- 契約が終わるときの引き継ぎを、最初に決めておく:業者の権限を外す時期と、記録を残す方法
設定のしかたは、媒体ごとに違います。頼むときにこの3つを伝え、どう設定したかを聞いておきます。
何社にも頼むときに社長が決めておくことは、この章のはじめにお話ししました。
「A08-01:業者が何社も関わる仕事で、社長にしか決められないこと」
社員個人の名義にもしない
社内で作る場合にも、気をつけたいことがあります。担当の社員が、自分の個人アカウントで、会社のページを作ってしまうことです。
その社員が異動したり、辞めたりすると、同じことが起きます。会社のページなのに、会社の誰も入れない。担当者が替わっても困らないように、ここでも持ち主は会社にしておきます。
アカウントを会社の名義で持つと決めるのは、社長の仕事です。
筆者の余談
契約が終わったあとも、管理の権限をくれる業者ならよいのですが、そうとは限りません。そこで私は、取引が終わることになった相手がいると、許可をもらってから、見られるうちに管理画面をひととおり写しておくようにしています。広告の数字、反応のよかった投稿、届いた人の年代。契約が切れると、権限ごと見られなくなることがあるからです。
写しておいた数字は、次に広告を出すときの「変える前の数字」になります。終わり方まで最初に決めておけば要らない作業ですが、決めていなかったときの備えです。
この記事のまとめ
- 広告やSNSのアカウントも、ドメインと同じ。名義が業者だと、契約が終わったあと会社に残らない。
- 失うのはフォロワーだけでなく、広告や動画の記録。次は、ゼロからのやり直しになる。
- 社長が見られる数字は、渡された権限の範囲だけ。
- 頼む前に、会社の名義・業者に渡す権限・終わるときの引き継ぎを決める。
- 社員個人の名義にもしない。持ち主は、いつも会社。