A01-07:制作会社との付き合いは、公開してからのほうが長い
制作会社との付き合いは、公開してからのほうが長くなります
作っている期間は数か月。使う期間は何年です。公開したあと、社内で何が起きるのか。その先まで一緒に考えてくれる相手かどうかは、どこで見えるのか。今回はその話です。
ホームページが完成した。これで一段落。そう感じる方が、ほとんどです。制作会社とのやりとりも、ここまで。そんな気分になります。
けれど、長いのは、そのあとのほうです。作っている期間は数か月。公開したホームページは、何年も使っていきます。
今回は、公開してからの話をします。社内で何が起きるのか。そして、長く続く相手かどうかは、どこで見えるのか。
作る期間は数か月、使う期間は何年
打ち合わせが始まってから公開まで、数か月。そのあいだは、連絡も密です。原稿を出し、写真を選び、確認を返す。会社にとっても、ホームページのことを考える時間が集中する時期です。
公開すると、この密度が急に下がります。連絡する用事がなくなるからです。ところが、ホームページを使う期間は、ここから何年も続きます。
関係の長さで見ると、作っている期間のほうが短い。それなのに、頼む相手を決めるときは、短いほうの期間だけを見て決めがちです。きれいに作ってくれるか。安く作ってくれるか。どちらも大事な条件ですが、それは数か月ぶんの条件です。
長いほうの期間を、その会社とどう過ごすのか。そこを、作る前に決めておきます。
公開すると、社内に仕事が生まれる
ホームページは、公開すると、社内に新しい仕事が生まれます。
- 問い合わせメールへの返信
- 載せた情報を、新しく保つ(料金が変わった、新しいサービスを始めた、など)
- 通販をやるなら、注文の確認・梱包・発送
- ブログを更新するなら、誰が写真を撮り、誰が記事を書くのか
どれも、当たり前のようでいて、決めておかないと抜け落ちます。問い合わせが来ているのに、誰も気づかず何日も放置。料金が変わったのに、ホームページは古いまま。ブログを始めたはいいが、最初の数本で止まってしまう。これでは、せっかく来てくれたお客様を、逃してしまいます。
決めることは、2つです。誰がやるか。いつやるか。
担当は、名指しで決めます。「みんなで」にすると、誰の仕事でもなくなります。小さな会社なら、社長が兼ねることもあるでしょう。それでもかまいません。決めてあるかどうかで、公開後の動きは変わります。
いつやるかは、曜日で決めておくと動きます。「毎週月曜の朝に、問い合わせと料金表を確かめる」。予定表に入れておけば、忘れても思い出せます。
あわせて、社長に決めていただきたいことがあります。増えた仕事に、手当を出すかどうかです。担当になる方の時間は、本業に使うはずだったものです。お金が出ていかないので無料に見えますが、会社の中では確かに使われています。
そして、この段取りは、作る前に決めておくものです。公開してから考えると、たいてい後回しになります。
半年たつと、直すための材料がそろう
公開した時点のホームページは、まだ、こうだろうという見当で並べたものです。この文章で伝わるはず。この順番なら読んでもらえるはず。実際にどう受け取られるかは、公開してみないとわかりません。
目安は、半年です。1日ごとの上下に振り回されず、傾向として読めるだけの記録が、ひとまずたまるころだからです。よく読まれているページはどこか。逆に、すぐ帰ってしまう場所はどこか。それを見て、次にどこへ手を入れるかを決めます。
この「見て、決める」やり方は、第4章であらためて扱います。ここでは、公開してから半年で材料がそろう、とだけ覚えておいてください。
納品で終わる会社と、公開後も続く会社
制作会社には、見ておきたい違いがあります。納品したら、そこで関係が終わる会社。公開したあとも、一緒に手を入れてくれる会社です。
どちらが良い悪い、という話ではありません。ページの作りが決まっていて、きれいに安く形にしてほしいだけなら、前者で足ります。
決めるのは、自社です。公開したあと、社内だけで回していくのか。相談できる相手を、外に置いておくのか。ここを先に決めておくと、見積書に並んだ毎月の費用の意味も変わってきます。
打ち合わせで、公開後の話が出るか
では、どこで見分けるか。作る前の打ち合わせで、もう見えています。
その会社が、公開したあとのことまで話すか。納品して終わり、という口ぶりか。それとも、「公開してから、どう手を入れていきましょうか」と、その先を一緒に考えるか。ここに、付き合い方の姿勢が出ます。
頼む相手を決めるとき、つい、安さや見た目に目が行きます。それも大事な条件です。ただ、長い目で見れば、公開してからも隣にいてくれるかどうかが効いてきます。
作る前の打ち合わせで、公開後の話が出るか。そこを、聞いてみてください。相手の答え方で、そのあとの何年かが見えてきます。
頼む前の準備と、相手の見きわめは、第7章でくわしく扱います。まずは、制作会社との付き合いは公開してからのほうが長い、という見方を頭の片隅に置いておいてください。なお、公開後にやりがちな失敗は「A01-09:ありがちな失敗」でまとめています。
この記事のまとめ
- 作る期間は数か月。使う期間は何年も続く
- 公開すると社内に仕事が生まれる(問い合わせ対応・情報更新・通販なら発送・記事の更新)。誰がやるか、いつやるか、手当を出すかを、作る前に決める
- 半年ほどで、どこを直すかの材料がそろう
- 「納品で終わる会社」と「公開後も続く会社」がある。どちらが要るかは、自社が決める
- 見分けは、作る前の打ち合わせで公開後の話が出るかどうか