A08-07:求人にも、階段がある
応募の数だけ見ても、直す場所はわからない。
広告を出して、ページも作った。それでも応募が少ない。広告を替えるべきか、ページを直すべきか、条件を見直すべきか。迷ったまま、次の募集を迎えていませんか。
前の記事では、地元の人に、地域を絞って届ける話をしました。
「A08-06:検索は全国区。地元の人には、地域を絞って届ける」
求人の話は、今回でひと区切りです。ここまでの記事を、どんな順番で使えばいいかをお話しします。
求人の階段は、お客様の階段より長い
ホームページに来たお客様には、階段を1段ずつ登ってもらう。次の段へ進んだ人の割合を、コンバージョンレートと呼ぶ。この話は、第4章でお話ししました。
「A04-02:社長は、アクセス解析の画面を見なくていい。」
求人にも、同じ階段があります。ただ、段の数が多くなります。

- 広告・チラシ:広告やチラシ、動画で、会社を知る
- 求人ページ:仕事の中身と、条件や働き方を読む
- 応募フォーム:入力して、送る
- 面接:会社から連絡が来て、面接や見学に行く
- 採用:働き始める
図の数字は、たとえばの数字です。2万人に届いても、採用までたどり着くのは1人。どの段でも、次へ進む人はほんの一部です。
お客様なら、買ってもらえたところで階段は終わります。求人は、採用したあとも続きます。長く働いてもらえて、はじめて登り切ったことになります。
弱い段で、読み返す記事が決まる
どの段で人が減っているかがわかれば、直す場所が決まります。
- 気づいてもらえない:広告と広報の組み合わせ、届ける地域を見直す(A08-02・A08-06)
- 来る人が、来てほしい人と違う:来てほしい人を、働き方で描き直す(A08-04)
- 読んで、帰ってしまう:条件の見せ方と、求人の言葉を見直す(A08-05)
- 応募のあとで止まる:社内の連絡と、応募の流れを通し直す(A08-03)
「A08-03:求人にお金をかけるなら、広告より先に受け皿」
弱い段がわからないまま広告費を足すと、つまずいている段の手前に、人を増やすだけになります。
数字に残らない段は、聞く
求人の階段には、数字に残らない段があります。
たとえば、広告で会社の名前を覚えて、何日かあとに検索して来る人がいます。この人は、数字の上では「検索から来た人」として記録されます。広告が効いていたのに、数字だけを見ると、広告は効かなかったように見えます。そのまま広告を止めてしまうことも起こります。
これを埋めるのは、面接や見学のときの、「どこで知りましたか」という一言です。数字で見えない段は、人に聞くとわかります。聞いた答えを、どの段の話かと合わせて書き留めておくと、次の募集で使えます。
応募の数だけで、良し悪しを決めない
応募は、もともと少ない数です。1回の募集で応募が0件でも、ページが悪いとは限りません。少ない数は、たまたまで大きく動きます。
数が少ないうちは、手前の段を見ます。ページの最後まで読んだ人や、応募フォームまで進んだ人です。応募よりも人数が多いので、直した前とあとで比べられます。
平均にも、注意が要ります。入口の違う人たちを混ぜて平均すると、誰の姿でもない数字になります。広告から来た人と、検索から来た人とでは、読み方がまるで違います。入口ごとに分けて見ると、はじめて弱い段が見えてきます。
小さく試して、確かめて、直す
弱い段が見つかったら、そこだけを直します。少しずつ良くしていく考え方は、第4章でお話ししました。
求人の広告でも、小さく試して、確かめて、直す。この繰り返しが応募を増やします。
広告もページも外に頼んでいると、それぞれの会社が見ているのは、自分の受け持った段だけです。階段の全体を見て、どの段から直すかを決めるのは、社長です。
筆者の余談
商品の販売でも、求人でも、コンバージョンの階段があります。人がどこで止まっているのかを見つけて、よくないところを直す。やり方は同じです。
ただし、やみくもにあれこれ変えないことです。変える前に、次の「ホームページ変更前の5つの決めごと」を書き出しておきます。
- (目的)何を確かめたいのか、1つだけ決める
- (仮説)どうなると思うのか、その理由もあわせて
- (判断基準)何を測り、いつ判断するのか
- (現状の記録)変える前の数字を控えておく
- (テストの記録)試したことと結果を書き残す
屋台のように、小さく素早く変えて確かめる。私はこれを「屋台でテスト作戦」と呼んでいます。
この記事のまとめ
- 求人にも階段がある。採用のあと、長く働いてもらうところまでが階段。
- どの段で人が減っているかで、読み返す記事と直す場所が決まる。
- 数字に残らない段は、面接や見学で「どこで知りましたか」と聞く。
- 応募の数が少ないうちは、手前の段を、入口ごとに分けて見る。
- 小さく試して、確かめて、直す。どの段から直すかは社長が決める。