A08-06:検索は全国区。地元の人には、地域を絞って届ける

検索は場所を選ばない。近所の人には、近所で目に入る入口から。

求人のページを作ったのに、応募してくるのは遠くの人ばかり。歩いて通える近所の人からは、なかなか声がかからない。そんなことはありませんか。

前の記事では、言葉にしにくいものを、社長が言葉にして募集する話をしました。

「A08-05:条件の競争から抜け出す」

今回は、その募集を、誰のところまで届けるかの話です。

目次

検索は、通える距離を選んでくれない

中小企業の求人で来てほしいのは、多くの場合、近くに住む人です。歩いて、あるいは自転車で通える人。通勤が短ければ続けやすく、急なシフトの相談にも乗ってもらいやすくなります。

ところが、検索は全国区です。ホームページを、全国の人に見つけてもらう仕組みなので、読む人がどこに住んでいるかは選べません。ホームページに人が来る仕組みは、第1章でお話ししました。

「A01-06:ホームページに、人が来る仕組み」

お客様を集めるときは、遠くの人が来てくれるのも、うれしいことです。けれど求人では、近さそのものが、来てほしい人の条件になります。検索だけでは、そこを選べません。

近所の人は、暮らしの中で求人に出会う

近所の人に届く入口は、ふだんの暮らしの中にあります。

  1. ポストに入るチラシ(ポスティングチラシ)
  2. お店や事務所の前に貼るポスター
  3. 地域を絞ったSNS広告や、検索の広告

どれも、いま仕事を探していない人の目にも入ります。「近くに、こんな会社があったんだ」と気づいてもらうところから、応募は始まります。広告が効くときと、効かないときの話は、第5章でお話ししました。

「A05-04:広告は、効く時と効かない時がある」

求人の動画は、始まって5秒程度が勝負

SNSの広告は、短い動画で流すことが増えました。指で次々に流される中で、手を止めてもらえるかどうかは、始まって5秒程度で決まります。再生のデータを見ていても、そう感じます。

押さえたいのは、次の3つです。

  1. 音を消しても、伝わるか:電車の中や職場では、音を出さずに見る人が多くいます。文字でも伝わるようにします。
  2. 始まってすぐに、何の会社の、どんな仕事かがわかるか:会社のイメージ映像から入ると、仕事が見える前に流されてしまいます。
  3. スマホの縦の画面で、見やすいか:SNSを見る人の多くは、スマホを縦に持っています。

動画は、人を集めるだけのものではありません。仕事の様子を見て、「自分には合わない」と離れていく人がいるのも、動画の役目です。会社が人を選ぶように、働く人も会社を選びます。お見合いと同じで、両方が「いいな」と思えたときに、長く続きます。

撮り方や編集には、コツがあります。慣れた人と一緒に作るのが近道です。

外で気づいて、ホームページで確かめる

チラシや広告に、全部を書く必要はありません。そこは気づいてもらう場所で、決めてもらう場所は、求人のページです。くわしいことはページで見てもらい、チラシや広告には、ページへの行き方を載せておきます。広告と受け皿の分け方は、前々々回にお話ししました。

「A08-03:求人にお金をかけるなら、広告より先に受け皿」

どこまで届けるかは、社長が決める

チラシも広告も、どこまで届けるかを決めてから頼みます。それが決まれば、チラシを配る地域も、広告を見せる地域も決まります。決めずに頼むと、会社のことを知らない人が、手がかりなしに決めることになります。

手がかりは、通勤です。歩いて通える人までにするのか、自転車で通える人までか、車での通勤も受け入れるのか。長く働いている社員が、どこから通っているかを見ると、目安になります。

地域の指定のしかたは、媒体によって違います。町や丁目ごとに選ぶもの。会社から半径何キロメートルの円で指定するもの。同じ広さのつもりでも、指定のしかたが違えば、届く場所は少しずつずれます。媒体によっては、その地域に住んでいる人だけでなく、遠くに住んでいて、広告が流れたときにたまたまその地域にいた人にも届きます。広告の届く先は、「この道から、こっちだけ」と厳密に分けられるものではありません。ご注意ください。求人の広告には、媒体ごとの決まりがあることもあります。設定する前に、それぞれの媒体の説明を、よく読んでください。業者に頼むときも、どの範囲を、どう指定したかを聞いておきます。

近くに住む人に来てほしいと決めるのも、どこまで届けるかを決めるのも、社長の仕事です。

筆者の余談

店先の貼り紙は、いまも効く

近所を歩いていると、お店の入口に「パート募集」の紙が貼ってあることがあります。ワープロで作った手作り感あふれるものや、手書きのものも、よく見かけます。わざわざプロのデザイナーに頼まなくても、必要なことが書いてあればよいと思います。古いやり方に見えますが、私は、いまも効くやり方だと考えています。前を通るのは、まさにその近所に住んでいる人だからです。

その紙に、求人のページへのQRコードを足しておく。それだけで、貼り紙が、ホームページへの入口になります。

この記事のまとめ

コレだけ!1分で復習
  • 検索は、読む人の住まいを選べない。求人では、近さが条件そのもの。
  • 近所の人には、チラシ・ポスター・地域を絞った広告で届ける。
  • 求人の動画は、始まって5秒程度が勝負。音なし・縦の画面でも伝わるように。
  • チラシや広告は、気づいてもらう場所。くわしいことは求人のページで。
  • 届ける範囲は社長が決める。指定のしかたは媒体ごとに違うので、説明をよく読む。
小田朋和
有限会社イオアート 代表取締役・IT経営コンサルタント
人情の街として知られる東京都葛飾区を拠点に創業25年以上。中小企業経営者のIT経営をサポート。「売り込まない・正直に・わかりやすく」をモットーに、経営者の隣でITを経営の力に変えるお手伝いをしています。行政機関・経営者団体・大学・高校からの講師依頼も多く、社長より「先生」と呼ばれることの多い25年でした。
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