A04-05:少しずつ良くしていく。改善のサイクル
ホームページは、回しながら良くしていきます。
第4章の締めです。やってみて、直す。この輪を回し続けることが、ホームページを育てる、たった1つの確かな方法です。
一度で完璧なホームページは、ありません
この章では、公開してからのホームページについてお話ししてきました。作って終わりではないこと。社長は画面を見なくていいこと。アクセスには波があり、その波を経営に活かせること。
最後に、それらを1つにまとめる考え方をお伝えします。「改善のサイクル」です。
一度作っただけで、完璧なホームページは、ありません。どんなに考えて作っても、公開してみないとわからないことだらけです。どのページがよく見られるか。どこでお客様がつまずくか。それは、実際にお客様が来て、はじめて見えてきます。
だから、最初から完璧を目指さなくていいのです。まず出してみる。反応を見て、少しずつ直していく。この繰り返しが、結局はいちばんの近道です。
改善は、ぐるぐる回る輪
ホームページの改善は、1本道ではありません。ぐるぐると回る、輪のようなものです。4つのことを、順番に繰り返します。
- 調べる ── お客様や同業の動きを見て、何が求められているかを知る。
- 考える ── 調べたことをもとに、どんな中身にするかを決める。
- やってみる ── 実際にページを作って、公開する。
- ふりかえる ── 公開してからの反応を見て、うまくいったか確かめる。
ここで終わりではありません。ふりかえって見えたことをもとに、また「調べる」へ戻る。そしてもう1周。これを繰り返します。
同じところをぐるぐる回っているようでいて、1周するごとに、ホームページは少しずつ上に登っていきます。同じ円ではなく、らせん階段を登るイメージです。
この輪は、ホームページだけの話ではありません。商売そのものの育て方と、同じ形をしています。
半年に1度、輪を1周させる
この輪は、半年に1度を目安に回してください。商売のリズムが速ければもっと短く、ゆっくりした商売なら1年ごとでもかまいません。
半年たつと、アクセスの波が見えてきます。どのページが読まれ、どこでお客様がつまずいているか。その事実を持ち寄って、社長と一緒に「次の半年、何をするか」を決める。これが、輪を1周させるということです。
このとき、社長は細かい画面を見る必要はありません。数字を集めるのは社内のスタッフか、外のパートナーの役割でした。社長は、出てきた事実を見て、次の方針を決める。輪を回す舵を取る。それが社長の仕事です。
変えるのは、小さなことでいい
改善というと、大がかりなことを想像するかもしれません。でも、1周ごとに変えるのは、小さなことで十分です。
反応のよくない商品のページを、1つ下げてみる。よく読まれているページを、もっと見やすい場所に移す。問い合わせが増えた時期に合わせて、おすすめを前に出す。1つひとつは、小さな手直しです。
一度に全部を変えてしまうと、何が効いたのかわかりません。小さく変えるから、次の輪で「あれは効いた」「これは違った」と確かめられる。失敗しても、それは次の輪に活きる事実になります。
らせんは、回すほど楽になる
ここで、うれしいことをお伝えします。この輪は、回せば回すほど、楽になっていきます。
1周目は、何もかも手探りです。調べるのも、考えるのも、時間がかかる。けれど、その1周で得たことは、次の周の土台になります。一度調べた業界のことは、2周目にはもうわかっている。一度試して効いたやり方は、次から自信を持って使える。
だから、2周目は1周目より速く、3周目はもっと速く回せます。最初はぎこちなかった輪が、回すほどなめらかになり、勢いがついていく。らせん階段も、登り慣れると足取りが軽くなります。
改善は、続けるほど大変になるものではありません。むしろ逆です。続けるほど、楽に、速くなっていく。これが、輪を回し続ける、いちばんのご褒美かもしれません。
輪が回り出すと、次の課題が生まれる
輪がなめらかに回り出すと、うれしい変化が起きてきます。問い合わせが増え、注文が増えてくるのです。
ところが、ここで新しい困りごとが出てきます。注文が増えすぎて、さばききれなくなる。対応に追われて、本業が回らなくなる。うれしい悲鳴ですが、これも立派な課題です。
そうなったら、次は社内に目を向ける番です。増えた注文をきちんとさばけるよう、社内の仕事のやり方を見直す。手作業を減らし、仕組みを整える。社内の業務改善を進めて、さらなる受注増に備えるのです。
ホームページで販路を広げる。広がったぶん、社内を整えて受け止める。そして、また販路を広げる。この2つの輪がかみ合うと、会社は大きく育っていきます。
社内の業務改善やITの活用については、別のセミナーブログ「中小企業経営者のためのIT活用セミナー」でくわしくお話ししています。注文が増えてきたら、ぜひのぞいてみてください。
回し続けた会社だけが、たどり着く
最後に、いちばん大事なことをお伝えします。
この輪は、1周回して終わりではありません。回し続けることに、意味があります。
この章のはじめに、十数年かけて売上の柱がホームページになった会社の話をしました。特別な魔法があったわけではありません。半年ごとに輪を回し続けた。ただ、それだけです。その積み重ねの先に、あの成果がありました。
派手なことは、何もいりません。やってみて、直す。この地味な輪を、あきらめずに回し続ける。それができる会社だけが、ホームページを本当の武器に変えていきます。
ホームページは、作って終わりではありません。回しながら、育てていくもの。第4章でお伝えしたかったのは、この一点に尽きます。
この記事のまとめ
- 一度で完璧なホームページはない。出してから、少しずつ直すのが近道。
- 改善は「調べる→考える→やってみる→ふりかえる」の輪。回すたびに少し上に登る。
- 半年に1度、輪を1周。社長は事実を見て次の方針を決める舵取り役。
- 手直しは小さくていい。小さく変えるから、何が効いたかわかる。
- 輪は回すほど楽に、速くなる。続けるほど勢いがつく。
- 注文が増えてさばききれなくなったら、社内の業務改善で受注増に備える。
- 回し続けた会社だけが、ホームページを武器に変える。