A06-02:求人にホームページが効く理由
人を採用するとき、求人サイトに広告を出す。それは間違いではありません。でも、応募してくる人がどこを見ているか、考えたことはありますか。
実は、会社のホームページが、応募するかどうかを静かに左右しています。
応募者は、必ず会社のホームページを見る
ハローワークで見つけても、求人情報誌で見かけても、知人に紹介されても、応募する前に多くの人が同じことをします。会社の名前で検索して、自社のホームページを見るのです。
求職者にとって、会社のホームページは「この会社で大丈夫だろうか」を確かめる場所です。給料や仕事内容は求人媒体に書いてあります。でも、その会社が本当はどんな会社なのかは、求人広告の枠だけではわかりません。だから人は、自分の目で会社のホームページを見に行きます。
これは、お客様がものを買う前に会社を調べるのと、まったく同じ行動です。ホームページを見ているのはお客様だけではありません。応募者も、同じようにあなたの会社を見ています。
自社サイトがない・古いと、不安にさせる
ここで、もし会社のホームページがどうなっていたら、応募者はどう感じるでしょうか。
検索しても、会社のホームページが出てこない。あっても、何年も前で更新が止まっている。スマホで開くと、文字が小さく、レイアウトが崩れている。
応募者は、こう感じます。「この会社、大丈夫だろうか」
外部の媒体には、手間をかけて募集を出している。それなのに、肝心の会社のホームページが受け皿になっていない。これでは、せっかく興味を持ってくれた人を、自分から不安にさせてしまいます。
人を集める入口に力を入れるなら、受け止める側も整えておく。これは、お客様を集めるときの考え方と同じです。
中小企業こそ、採用に自社サイトが効く
「ホームページが採用に効くのは、大きな会社の話でしょう」そう思われるかもしれません。でも、話は逆です。
名前の知られた大企業は、社名を聞けば誰でも知っています。だから、社名だけで応募が集まります。中小企業は、そうはいきません。応募者は、その会社をほとんど知らない。だからこそ、ホームページで調べるのです。
つまり、応募者にとってホームページが大事なのは、知られていない中小企業のほうなのです。中小企業こそ、採用に自社サイトが効く。ここに気づいている経営者は、まだ多くありません。
そして中小企業には、大企業にはない強みがあります。会社と社員の距離が近く、家族のようなつながりがあること。中には、入社式に社員の家族を招く会社もあります。
実は、会社のホームページを見ているのは、応募者本人だけではありません。内定が出たあと、その人の親や配偶者が「どんな会社なんだろう」と検索することは、めずらしくないのです。本人が納得していても、家族が不安になって辞退してしまう。そんな取りこぼしが、現場では起きています。
家族にも安心してもらえる会社の姿を、ホームページで伝えておく。中小企業の温かさは、ここで効いてきます。
外部の求人媒体と、自社の採用ページは役割が違う
ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。「ハローワークや求人情報誌に載せているのに、自社のホームページもいるのか」と。
外部の求人媒体と、自社の採用ページは、役割が違います。
ハローワーク、求人情報誌、求人サイト。こうした外部の媒体は、たくさんの会社が条件を並べて、比べられる場所です。給料、休日、勤務地。応募者は、条件で会社を見比べます。一方、自社の採用ページは、会社の人柄を伝える場所です。どんな人が働いているか。どんな雰囲気の会社か。何を大切にしているか。
応募者は、この両方を行き来します。ハローワークや求人情報誌で会社を見つけて興味を持ち、自社の採用ページで「ここで働きたい」と確かめて、応募を決める。
だから、どちらか一方ではありません。外部の媒体で見つけてもらい、自社の採用ページで安心してもらう。この2つがそろって、はじめて応募につながります。では、自社の採用ページに何を載せればいいのか。それは、次の記事でお話しします。
情報が増えたら、採用専門サイトという選び方もある
採用に力を入れていくと、伝えたいことがどんどん増えていきます。募集要項、社員の紹介、一日の仕事の流れ、社長の考え、福利厚生。
最初は、会社のホームページの中に「採用情報」のページを1つ作るところから始めて構いません。でも、ページが増えてくると、本社のホームページの中に収まりきらなくなることがあります。
そんなとき、本社のホームページとは切り離して、採用専門のサイトを別に作る会社もあります。たとえば、recruit.会社名.com のように、採用だけをまとめた独立のサイトです。社風、社員の声、募集要項、応募フォームを、ひとまとめにできます。
これは、大企業だけの話ではありません。中小企業でも、採用に本気で取り組む会社は、こうした採用専門サイトを持っています。
はじめから大きく作る必要はありません。会社のホームページの中の1ページから始めて、情報が増えてきたら切り出す。この育て方を知っておくと、あわてずにすみます。どこからどう作るのがいいかは、会社の規模や採用の数によって変わります。そこは、相談しながら決めていくところです。
採用ページがあると、応募者は安心して一歩を踏み出せる
求人にホームページが効く理由を、見てきました。会社のことを、きちんと伝えるページがある。それだけで、応募者は安心して、応募という一歩を踏み出せます。
では、その採用ページに何を載せると、人は「応募したい」と思うのか。次の記事で、くわしくお話しします。
この記事のまとめ
- 応募者は、応募する前に必ず社名で検索して会社のホームページを見る。
- サイトがない・古いと「この会社、大丈夫だろうか」と不安にさせ、応募を取りこぼす。
- 社名で応募が来る大企業より、知られていない中小企業こそ採用にサイトが効く。
- 見ているのは本人だけでなく、内定後はその家族も検索している。
- 外部の求人媒体は条件で比べられる場所、自社の採用ページは人柄を伝える場所と役割が違う。
- 情報が増えたら、採用専門サイトに切り出すという育て方もある。