A03-01:ホームページは「誰に、何を見せて、どう動いてほしいか」で決まる

ホームページ制作で、いちばん大事なところ。ここが、IT職人の腕の見せどころです。

「誰に、何を見せて、どう動いてほしいか」。この3つを決めることが、ホームページづくりのいちばんの肝です。

ホームページを作ろうとすると、つい「デザインをどうするか」「いくらかかるか」から考えてしまいます。でも、その前に決めておくことがあります。

次の3つです。

  • どんな訪問者に、来てほしいのか
  • その人に、何を見せるのか
  • 見たあと、どう動いてほしいのか

この3つがつながって、はじめて中身が決まります。逆に、ここがあいまいなまま作り始めると、見た目は立派でも反応のないホームページになります。制作のいちばんの肝は、ここです。

順番に見ていきましょう。

目次

どんな訪問者に、来てほしいか

まず、誰に向けたホームページなのかを決めます。

「みんなに見てほしい」と思う気持ちは、よくわかります。でも、みんなに向けた言葉は、誰の心にも残りません。

たとえば同じ機械の部品を作る工場でも、来てほしいのが「大手メーカーの購買担当者」なのか、「小ロットで困っている町工場の社長」なのかで、見せ方はまるで変わります。前者には精度や生産能力を、後者には小回りのよさや相談しやすさを伝えたい。来てほしい人がはっきりすると、何を伝えるべきかが決まってきます。

一人に絞る必要はありません。けれど「この人に届けたい」という顔が思い浮かぶくらいには、はっきりさせておきたいところです。

何を見せるか

来てほしい人が決まったら、その人に何を見せるかを考えます。

ここで一度、紙に書き出してみてください。会社案内、サービスの説明、料金、お客様の声、よくある質問、問い合わせ先。来てほしい人が知りたいことは何か。それを並べていくと、ホームページにどんなページが必要かが見えてきます。

この「どんなページを、どう並べるか」という全体の設計図のことを、サイトマップといいます。家を建てる前の間取り図のようなものです。どの部屋をどこに置くかを先に決めておくと、あとの作業が早くなります。

このとき、欲張りすぎないことも大事です。たとえば商品を10点載せるのと、100点載せるのとでは、作る手間も、公開してから更新していく手間も、まるで違います。大きく作れば、そのぶん費用も時間もかかります。「来てほしい人に、本当に必要なページは何か」を軸に、ちょうどいい規模を見極めましょう。かかる費用そのものについてはA01-03:ホームページ制作の流れと、かかる費用でくわしく触れています。

ここで1つ、注意したいことがあります。載せたいページだけでなく、載せなければいけないページもある、という点です。たとえば通販をするなら特定商取引法に基づく表記、お問い合わせフォームなどで個人情報を扱うならプライバシーポリシー。業種によっては、法律で必須のページがあります。あとから慌てないよう、設計図の段階で入れておきましょう。

なお、よく似た名前で「XMLサイトマップ」というものもあります。これは検索エンジンに向けて、ページの一覧を機械的に伝えるための別の仕組みです。ここで言う設計図とは別物なので、名前が似ている、とだけ覚えておけば十分です。

どう動いてほしいか

最後に、見た人にどう動いてほしいかを決めます。

ここが、いちばん抜けやすいところです。きれいなホームページができて満足してしまい、「で、見た人にどうしてほしいんだっけ?」が抜ける。これはよくあります。

電話してほしいのか。問い合わせフォームを送ってほしいのか。資料をダウンロードしてほしいのか。来店してほしいのか。求人なら、応募してほしいのか。「売る」とは限りません。信頼してもらう、覚えてもらう、それも立派な反応です。

どう動いてほしいかが決まると、ページのどこに、何を、どう置くかが変わります。電話してほしいなら電話番号を目立つ場所に。問い合わせてほしいなら、フォームへの入り口を迷わない場所に。ゴールから逆算して、道を作るわけです。

この3つは、つながっている

ここまで3つに分けて見てきましたが、本当はひと続きです。

来てほしい人が決まるから、見せるものが決まる。見せるものが決まり、どう動いてほしいかが決まるから、置き方が決まる。どれか1つでも欠けると、ホームページはぼやけます。

もう1つ。この3つを考えるときは、自社の中だけで決めないことも大切です。来てほしいお客様が他にどんなものを見ているか、同じ業界の会社がどう見せているか。外を知ると、自社の見せ方も定まってきます。この「調べる」という工程は、それだけで奥が深いので、別の記事A03-05:ライバル調査・業界調査でわかることであらためて触れます。

そして、この3つを決めたあとに出てくるのが「では、自社の何を伝えれば、その人に響くのか」という問いです。それは次の記事A03-02:自社の強みは、社長が当たり前と思っていることの中にあるで、じっくり考えていきます。

この記事のまとめ

コレだけ!1分で復習
  • ホームページは「誰に・何を見せて・どう動いてほしいか」の3点で決まる
  • 来てほしい人をはっきりさせると、伝えるべきことが見えてくる
  • どんなページをどう並べるかの設計図を、サイトマップという
  • 載せたいページだけでなく、法律で必須のページ(特商法表記・プライバシーポリシーなど)も忘れずに
  • 「どう動いてほしいか」をゴールに、ページの置き方を逆算する
小田朋和
(有)イオアート 代表取締役・IT経営コンサルタント
人情の街として知られる東京都葛飾区を拠点に創業25年以上。中小企業経営者のIT経営をサポート。「売り込まない・中立・わかりやすく」をモットーに、経営者の隣でITを経営の力に変えるお手伝いをしています。行政機関・経営者団体・大学・高校からの講師依頼も多く、「難しいと思っていたITが、楽しく理解できた」という声をいただいています。「社長」よりも、「先生」と呼ばれることの多い25年でした。
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