A05-07:人を集めても、受け皿が悪いと成果は出ない
人を集めても、受け皿が悪いと、成果になりません。
第5章、人を集める話の締めです。検索、SNS、広告。どれだけ人を集めても、受け止めるホームページが整っていなければ、成果は出ません。見落としがちな、いちばん大事なところをお伝えします。
穴のあいたバケツに、水を注いでいないか
人を集めることばかりに、気を取られていませんか。
たとえてみます。集めた人を、バケツに注ぐ水だとします。検索やSNS、広告で、一生懸命に水を注ぐ。ところが、バケツの底に穴があいていたら、どうでしょう。どれだけ注いでも、水はたまりません。
このバケツが、ホームページです。受け皿であるホームページに穴があいていると、せっかく集めた人が、たまらずに流れ出ていきます。
集客にお金と手間をかける前に、一度、確かめてください。自社の受け皿に、穴があいていないかを。
同じ人数が来ても、成果は変わる(コンバージョンレートを上げましょう)
ここで、知っておいてほしいことがあります。同じ人数が来ても、成果は同じではない、ということです。
たとえば、100人が訪れたとします。あるホームページでは、そのうち1人が問い合わせをしました。別のホームページでは、5人が問い合わせをしました。同じ100人なのに、成果は5倍も違います。
この違いは、どこから来るのか。受け皿である、ホームページの出来です。
第4章で、コンバージョンレートのお話をしました。来た人のうち、何人が動いてくれたか、という割合です。受け皿を整えると、この割合が上がります。
ここが、大事なところです。成果を増やすには、訪問者を増やすしかない、と思いがちです。でも、もう1つ道があります。受け皿を直すことです。来ている人数はそのままでも、受け皿がよくなれば、成果は増えるのです。
そして、この2つの道は、お金のかかり方が違います。
訪問者を増やす道、たとえば広告は、出し続けるあいだ、ずっとお金がかかります。前の記事でお伝えしたとおりです。一方、受け皿を直すのは、一度整えれば、その効きめが、ずっと続きます。直したあとに来る人すべてに、効くからです。
だから、まず受け皿を直す。そのほうが、かけたお金や手間が、長く効きます。同じ100人を5倍に変える受け皿があれば、その後どれだけ人を集めても、ずっと5倍で受け止められるのです。
受け皿で、つまずきやすいところ
では、受け皿のどこで、お客様を取りこぼすのか。よくあるところを、お伝えします。
いちばん多いのが、これです。ぱっと見て、何屋さんなのか、わからない。
来た人は、ほんの数秒で判断します。「ここは、自分の用がある場所かな」と。そこで何の会社かわからなければ、すっと去ってしまいます。だから、トップページを見た瞬間に、何をしている会社か、どんな人に来てほしいのかが、ひと目で伝わること。これが、いちばん大事です。
ここで、気をつけたいことがあります。格好いいイメージ写真を、大きく1枚。それだけでは、何屋さんかは伝わりません。たとえば、外国人のビジネスマンが、にこやかに握手している写真。よく見かけますが、これだけでは、何の会社か、さっぱりわからないのです。雰囲気は出ても、用件は語ってくれません。
それどころか、どこかで買ってきたような、きれいなだけの素材写真より、本物のほうが、ずっとよく読まれます。同じ人物の写真でも、まるで違います。よそから借りてきた、顔も知らない外国人の笑顔より、実際にそこで働いている人の顔。現場の様子。扱っている商品そのもの。飾りけがなくても、本物には、人の目を引きつける力があります。
そこで働く人が見えると、訪問者は安心します。どんな会社か、どんな人がいるのかが、伝わるからです。第2章でお話しした「20文字で、何の専門店か」を、ここでも思い出してください。見た目の格好よさより、何屋さんかが伝わること。そして、本物が見えること。これが、受け皿の入口で、いちばん効きます。
何屋さんかが伝わらない。その原因は、たいてい、欲張りすぎです。
私はよく、「商品は3つだけ」とお伝えします。トップページで打ち出すのは、3つまで。あれもこれもと並べたくなる気持ちを、ぐっとこらえるのです。
工場をやっていれば、「うちは何でもできます」と言いたくなります。お店なら、扱う品を全部見せたくなります。その気持ちは、よくわかります。けれど、何でもできますは、裏を返せば、何が得意かわからない、ということなのです。
そこをこらえて、専門店を目指す。打ち出すものを絞るほど、何屋さんかが、くっきり伝わります。第2章で「20文字で、何の専門店か」、検索の話で「総合商社より専門店」とお伝えしたことが、受け皿づくりでも、そのまま効いてきます。
そのほかにも、つまずきどころがあります。
- 探しているものが、すぐに見つからない。どこを見ればいいか、迷わせてしまう。
- 問い合わせ先が、わかりにくい。せっかくその気になった人を、迷子にしてしまう。
- スマホで見ると、読みづらい。今は、ほとんどの人がスマホで見ます。
こうしたことは、作った本人には、気づきにくいものです。気づいたら、詳しい人に相談してみてください。直し方には、専門のコツがあります。
訪問者を増やす前に、受け皿を整える
ここから、経営の判断の話です。
成果が出ないとき、つい、こう考えます。「もっと広告を打って、人を増やそう」と。でも、ちょっと待ってください。その前に、見るべきことがあります。今来ている人を、取りこぼしていないか、です。
受け皿が穴だらけのまま、集客だけ増やす。これは、穴のあいたバケツに、もっと水を注ぐようなものです。注ぐほど、流れ出る量も増える。お金を、捨てているのと同じです。
順番が大事です。先に、受け皿を整える。それから、集客を増やす。前の広告の記事でもお伝えした「土台が先」は、ここでも同じです。
受け皿づくりは、ここまでの全部につながる
最後に、お気づきかもしれません。受け皿を整えるとは、この連載でお話ししてきたこと、そのものです。
何屋さんかが、ひと目で伝わること。お客様の言葉で、書かれていること。読みやすく、組み立てられていること。本物の中身が、のっていること。これらは、第3章から、ずっとお伝えしてきたことです。
受け皿づくりは、特別なことではありません。これまでの積み重ねが、そのまま受け皿の力になります。
人を集める道は、いくつもあります。でも、どの道を通ってきた人も、行き着く先は、同じ受け皿です。入口を増やすことばかり考える前に、まず、その受け皿を整える。それが、いちばん確実な、成果への道です。
この記事のまとめ
- どれだけ人を集めても、受け皿(HP)に穴があれば成果はたまらない。集客の前に受け皿を見る。
- 同じ人数が来ても、受け皿の出来で成果は変わる。受け皿改善は一度で効きめが続き、費用対効果が高い。
- 最大の取りこぼしは「何屋かわからない」。素材写真より本物の写真、そして商品は3つに絞って専門店に。
- 訪問者を増やす前に、受け皿を整える。穴のあいたバケツに水を注いでも、流れ出るだけ。
- 受け皿づくりは、連載でお話ししてきたことの集大成。それが、いちばん確実な成果への道。