A05-01:人の集め方には、いくつもの入口がある
道は1本ではありません。どう組み合わせるかです。
第5章は、人の集め方の話です。砂漠のビルへ引く道には、何種類もあります。それぞれの特徴を知り、自社に合う道を選びましょう。
道は1本ではない。どう組み合わせるか
前の章で、自社のホームページは「砂漠のど真ん中に建てたビル」だとお話ししました。立派に建てても、道がなければ誰も来ません。だから、ビルへ向かう道を引く必要があります。
ここまでは、前章のおさらいです。
第5章で考えたいのは、その先です。道は何種類もあって、どれを引くか、どう組み合わせるか、どの順番で広げるか。ここに、社長の判断が必要になります。
道の引き方を間違えると、お金ばかりかかって人が来ない、ということが起きます。逆に、自社に合った道をうまく組み合わせれば、少ない手間で着実に人が集まります。
まずは、どんな道があるのか。そして、それぞれどんな性格を持つのか。順番に見ていきましょう。
主な道は、5種類
ビルへ引ける道は、大きく5種類です。ここでは性格だけ、手短に紹介します。1つずつのくわしい話は、次の記事から順にお伝えします。
- 検索 ── 探している人が、自分の足で歩いてくる道。
- SNS ── 人通りの多い大通りから、ふらりと寄ってもらう道。
- 広告 ── お金をかけて案内看板を立て、導く道。
- 紹介 ── お客様や取引先が、人を連れてくる道。
- メディア ── テレビや新聞の報道が、一気に大勢を運ぶ道。
検索とSNSは、前の章でも少し触れました。広告・紹介・メディアは、この章ではじめてくわしく扱います。
道には、コスト・速さ・質の違いがある
5種類の道は、それぞれ性格が違います。社長が選ぶときに見るべきは、3つの軸です。
1つ目は、お金がかかるか。2つ目は、効くまでの速さ。3つ目は、来る人の質です。表にまとめると、こうなります。
| 道 | お金 | 速さ | 来る人の関心度 |
|---|---|---|---|
| 検索 | かからない | 遅い(育てる) | 高い(探して来た人) |
| SNS | かからない | 中くらい | ふつう(偶然の出会い) |
| 広告 | かかる | 速い(すぐ来る) | ものによる |
| 紹介 | かからない | ゆっくり | とても高い(信頼ずみ) |
| メディア | かからない | 突然 | 高いが一時的 |
この表から、いくつか見えてきます。
検索は、お金はかからないけれど、効くまで時間がかかる。じっくり育てる道です。広告は、すぐ効くけれど、お金がかかり、止めれば止まる。紹介は、お金もかからず質も高いけれど、自分では増やしにくい。
完璧な道は、ありません。それぞれに、長所と短所があります。だからこそ、組み合わせるのです。
いきなり広告から、ではない
道を引く順番にも、コツがあります。
広告の扱いに慣れた人は、着地ページを1枚だけ作って、いきなり広告から始めることがあります。それで回る場合もあります。ただ、これは広告というものを知り尽くした人のやり方です。
ホームページもこれから、という段階では、おすすめしません。いきなり広告にお金をかけると、すぐ人は来ますが、お金を払い続けないと止まります。止めたとたん、砂漠に逆戻りです。
おすすめの順番は、まず検索やSNSという、お金のかからない道を育てること。時間はかかりますが、一度通れば、払い続けなくても人が来てくれます。これが、ビルの土台になります。
そのうえで、ここぞという時に広告を使う。土台がある状態で看板を立てれば、効きも違ってきます。
広告をどう使うか、着地ページをどう用意するかは、この章のなかでくわしくお話しします。ここでは「いきなり広告に頼らず、まず土台から」とだけ覚えておいてください。
1本の道だけに、頼らない
もうひとつ、大事なことがあります。1本の道だけに頼らないことです。
たとえば、紹介だけで成り立っている会社があります。ありがたいことですが、もし紹介してくれていた取引先との縁が切れたら、ぱたりと客足が止まります。1本の道に頼っていると、その道が途絶えたとき、一気に苦しくなります。
検索からも、SNSからも、紹介からも、少しずつ人が来る。そういう状態をつくっておくと、どれか1本が細っても、会社は揺らぎません。
道を何本も引いておくことは、人を集めるためだけではありません。商売を安定させるための、備えでもあるのです。
どの道も、行き着く先は同じ
最後に、5本の道に共通することを。
どの道を通ってきた人も、行き着く先は、同じです。あなたのビル ── ホームページです。
どんなにたくさんの道を引いても、ビルの中が整っていなければ、成果にはつながりません。せっかく訪ねてきた人が、わかりにくい、使いにくいと感じて帰ってしまえば、道を引いた苦労は水の泡です。
道を引くことと、ビルの中を整えること。この2つは、いつもセットです。第5章では、道を1本ずつ見ていきながら、最後に「ビルの中=受け皿」の話にたどり着きます。
まずは、道は何本もあること。組み合わせること。1本に頼らないこと。これを覚えておいてください。次の記事からは、1本ずつ、くわしく見ていきます。
この記事のまとめ
- 道は何種類もある。検索・SNS・広告・紹介・メディア。どう組み合わせるかが社長の判断。
- 道はコスト・速さ・質が違う。完璧な道はない。だから組み合わせる。
- いきなり広告は失敗のもと。まず検索・SNSで土台を育て、勝負どころで広告を使う。
- 1本の道だけに頼らない。複数引いておくのは、商売を安定させる備えになる。
- どの道も行き着く先は同じビル。中が整っていなければ成果にならない。