A03-07:いいホームページは、会社の「足元(経営理念)」が決まっているかで決まる

いいホームページは、会社の「土台」が決まっているかで決まる

原稿も、強みも、デザインも、その手前にある「会社の土台」が決まっているかで、速さも仕上がりも変わります。第3章の締めに、その土台の話をします。

第3章では、ホームページに何を載せるか、その中身の作り方を見てきました。誰に何を見せるか。自社の強みをどう見つけ、どう伝えるか。原稿や写真をどう集めるか。ライバルや業界をどう調べるか。

これらをひととおりお話ししてきて、最後にお伝えしたいことがあります。実は、ここまでの話はすべて、ある一点につながっています。それは、会社の土台が決まっているか、ということです。

土台というのは、「自分たちは何者で、何を大切にしているのか」ということです。少し堅い言葉でいえば、経営理念です。「経営理念」と聞くと、立派な標語や、額縁に入れて飾るもののように感じるかもしれません。でも、ここでお話ししたいのは、もっと素朴なことです。この会社は何のためにあって、お客様にどうなってほしいのか。その芯が、はっきりしているかどうか、という話です。

目次

土台が決まっている会社は、原稿が速い

会社の芯がはっきりしている会社は、ホームページ作りがとても速く進みます。

あるお客様の話です。その会社には、クレドと呼ばれる、社員がどう行動すべきかをまとめたルールブックがありました。会社の考え方や大切にしていることが、きちんと言葉になっていたのです。

おかげで、原稿集めは驚くほどスムーズでした。何を載せるか、どんな言葉で伝えるか。迷ったときには、いつもそのルールブックに立ち返ればよかったからです。誰に聞いても、会社の向きがそろっている。だから、ぶれずに、速く進められたのです。

大切にしていることが言葉になっている。たったそれだけで、ホームページ作りの速さと質は、大きく変わります。

土台は、見た目にもあらわれる

会社の軸は、考え方だけの話ではありません。会社の見た目、つまりロゴやカラーにもあらわれます。

色の話で、よく知られた例があります。銀行を思い浮かべてみてください。緑といえば、青といえば、赤といえば。それぞれ、思い浮かぶ銀行が1つ2つあるのではないでしょうか。

いつでも、どこでも、同じ色を使う。名刺も、看板も、ホームページも、同じ色でそろえる。それを続けるから、人の記憶に残るのです。逆に、使う色がそのたびに変わっていては、いつまでたっても覚えてもらえません。

色やロゴが決まっているということは、デザインの土台が決まっているということです。だから、ホームページを作るときも迷いません。

ホームページの前に、整えることがある

ロゴやカラーが、まだ決まっていない会社もあります。

以前、ホームページを作りたいというご相談をいただいたことがありました。ところが、お話をうかがってみると、会社の正式なロゴも、カラーも、まだ決まっていませんでした。

そこで、ホームページの話はいったん横に置いて、まずはロゴ作りから一緒に始めることにしました。どんな会社でありたいか。どんな印象を持ってほしいか。そういったことを1つずつ言葉にしながら、形にしていったのです。

すると、お客様はこうおっしゃいました。「頭の整理ができました」と、とても喜んでくださったのです。

ホームページを作る前に、やっておくべきことがあった。土台が定まっていないまま家を建て始めても、途中で何度もやり直すことになります。先に土台を固めておけば、その後がずっとスムーズに進むのです。

作る前に、土台を固める

ここまで第3章でお話ししてきたことを、振り返ってみます。

誰に何を見せるか。自社の強みは何か。それをどう伝えるか。どんな素材を集めるか。ライバルや業界をどう調べるか。

これらはすべて、「自分たちは何者で、何を大切にしているのか」という芯があってこそ、答えが出るものでした。経営理念がはっきりしている会社は、強みもすぐ見つかり、原稿も速く、デザインも迷いません。逆にそこが曖昧なままだと、何を作るにも、いちいち立ち止まることになります。

ホームページは、作り始めてからが大変なのではありません。本当に大切なのは、作り始める前に、会社の土台を固めておくことです。土台さえしっかりしていれば、その上に建つホームページは、きっと長く、しっかりと会社を支えてくれます。

なお、会社の理念や考え方を言葉に整理するときには、AIが役立つこともあります。その方法については、別のサイトで詳しく紹介しています。

中小企業経営者のためのIT活用セミナー
B-04:AIを使いこなせる会社と、そうでない会社の違いは何か?

この記事のまとめ

コレだけ!1分で復習
  • ホームページの良し悪しは、その手前の「会社の土台」で決まる
  • 大切にしていることが言葉になっている会社は、原稿が速く、ぶれない
  • 土台は見た目にも出る。色やロゴが決まっていると記憶に残る
  • ロゴやカラーが未整理なら、ホームページの前に、まずそこから整える
  • 第3章のすべては「作る前に土台を固める」につながっていた
小田朋和
(有)イオアート 代表取締役・IT経営コンサルタント
人情の街として知られる東京都葛飾区を拠点に創業25年以上。中小企業経営者のIT経営をサポート。「売り込まない・中立・わかりやすく」をモットーに、経営者の隣でITを経営の力に変えるお手伝いをしています。行政機関・経営者団体・大学・高校からの講師依頼も多く、「難しいと思っていたITが、楽しく理解できた」という声をいただいています。「社長」よりも、「先生」と呼ばれることの多い25年でした。
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