A02-03:通販を始める前に。成功の階段を一段ずつ
「ネットで売ろう」は、いちばん最後の一段です
通販を始めたい。そう思ったとき、いきなり自分の通販サイトを作るのは、実はいちばんリスクの高い入り方です。成功している会社は、階段を一段ずつ上っています。
前回まで、ホームページには型があり、その1つに「ネット販売型」があるとお伝えしました。商品をその場で売る、通販のためのホームページです。
「うちも、ネットで売ってみたい」。そう考える社長は、たくさんいます。けれど、ここで1つ、立ち止まってほしいのです。
いきなり、自分の通販サイトを作る。これは、いちばんリスクの高い入り方です。なぜそう言えるのか。そして、どう始めればいいのか。この記事で、順を追ってお話しします。
いきなり独自通販が、難しい理由
自分の通販サイトを作るのは、たとえるなら、誰も通らない道に、いきなりお店を建てるようなものです。
立派なお店ができても、人が通らなければ、誰も入ってきません。通販サイトも同じです。作っただけでは、お客様は来ません。来てもらうための集客を、ゼロから自分でやらないといけない。これが、いちばん大変なところです。
それだけではありません。サイトを作る費用がかかります。商品を並べ、注文を受け、お金を受け取る仕組みも必要です。在庫を抱え、発送の手間もかかります。
つまり、「本当に売れるかどうか、まだわからない」ものに、最初から大きく投資することになる。ここに、いちばんの危うさがあります。
まずは、小さく試してから
では、どうするか。答えはシンプルです。小さく試してから、大きくする。成功している会社は、みなこの順番です。
その前に、1つお伝えしたいことがあります。
ネットを使う前に、もっと身近な試し方があります。地域のイベントやマルシェに出店して、お店に並べてみる。知り合いに見せて、「これ、買いたいと思う?」と評判を聞いてみる。
お金もほとんどかかりません。けれど、お客様の反応をいちばん近くで感じられます。「思ったより売れた」「この値段だと高いと言われた」。そうした手応えが、次の一歩を決めてくれます。
そのうえで、ネットを使った試し方を、階段で見ていきましょう。
最初の一歩は、すでに人が集まっている場所を借りることです。フリマアプリやネットオークションです。メルカリ(会社として続けて売るならメルカリShops)、Yahoo!オークション、Yahoo!フリマ、楽天ラクマなど。出店料はほとんどかからず、売れたときだけ手数料を払う形が中心です。「そもそも売れるのか」「いくらなら買ってもらえるのか」を、小さく確かめられます。
手応えがつかめたら、次は自分の通販サイトです。とはいえ、いきなり大きく作る必要はありません。BASEやカラーミーショップ、STORESといったサービスなら、月額0円から自分のお店を持てます。フリマより自由に作れて、自分のお客様を育てていけます。もっと本格的に、海外への販売まで視野に入れるなら、Shopifyという選択肢もあります。
さらに本格的に売るなら、Amazonや楽天市場といった大手モールです。集客力は大きいのですが、その分コストも重くなります。たとえば楽天市場は、始めるのに初期費用6万円、いちばん安いプランでも月2万5千円ほどがかかります。売れる見込みがしっかり立ってから挑む、いちばん上の一段です。
手応えをつかんでから、自分の店へ
この階段の考え方は、前にお話しした「借りた土地と自分の土地」とつながっています。
フリマやモールは、人が集まる便利な場所ですが、借り物です。手数料を払い続けますし、お客様の情報も自分の手元には残りません。だから、売れる手応えがついたら、少しずつ自分の土地(自社サイト)へ移していく。そのほうが、利益も、お客様とのつながりも、自分のものとして残っていきます。
ここで、前回お話しした、ある製造業の会社を思い出してください。あの会社は、こうした階段を踏まずに、いきなり自社の通販サイトを作りました。
けれど、それは例外です。扱っていたのは、毎年、学校行事で使われる製品でした。決まった時期に、ある程度の数が必ず売れる。それが、最初から読めていたのです。ほかにも、売れる当てがいくつかありました。だから、試す段階を飛ばしてよかったのです。
逆に言えば、売れる確信がないうちは、まず試す。手応えをつかんでから、自分の店を持つ。この順番さえ間違えなければ、大きく失敗することはありません。一段ずつ、です。
この記事のまとめ
- いきなり自分の通販サイトを作るのは、いちばんリスクが高い
- ネットの前に、地域イベントや知人の評判で反応を確かめる
- まずフリマ・オークションで「売れるか」を小さく試す
- 手応えがついたら、月額0円から持てる自社サイトへ
- 大手モールは集客力が大きいがコストも重い。最後の一段