A05-08:いちばん効くのは、公開前の仕込み

いちばん効くのは、公開する前の仕込みです。

第5章、人を集める話の締めくくりです。検索、SNS、広告、受け皿。いろいろお伝えしてきましたが、最後に、いちばん効くことをお話しします。それは、公開してからの宣伝ではなく、公開する前の仕込みです。

目次

成果は、公開する前に決まっている

ホームページを作るとき、多くの人は、こう考えます。公開したら、宣伝をがんばろう、と。

その意気込みは、大切です。でも、いちばん差がつくのは、実は、その前です。公開する前に、どれだけ仕込んだか。ここで、成果のほとんどが決まります。

何を、誰に、どう見せるか。それを、公開前にじっくり考え、作り込んでおく。公開してから慌てて宣伝するより、この仕込みのほうが、ずっと効くのです。

第1章で、公開後の宣伝費より、公開前の原稿づくりが大事だ、とお伝えしました。第5章の締めくくりに、もう一度、この話をします。集客の道をひととおり見てきた今だからこそ、その意味が、よくわかるはずです。

調べてから作ると、公開した時点で強い

公開前の仕込みで、いちばん効くこと。それは、調べることです。

よその会社が、何を、どう言っているか。お客様が、どんな言葉で探しているか。それを調べてから作ると、埋もれない場所に、お店を立てられます。

調べずに作ると、どうなるか。気づかないうちに、よその会社と同じことを言っていて、たくさんの中に埋もれてしまいます。でも、先に調べておけば、自分だけの場所に立てる。すると、公開した、その時点で、もう見つけてもらいやすい土台ができているのです。

第3章で、ライバル調査・業界調査のお話をしました。検索の話ともつながります。ただし、この調べ方には、専門のコツがあります。ここでは「調べてから作ると強い」ということだけ、覚えておいてください。

お金をかけずに、いちばん効く

ここで、前の広告の話を思い出してください。広告は、お金をかけて、すぐに人を呼ぶ入口でした。

公開前の仕込みは、その逆です。お金は、かかりません。かかるのは、手間と時間です。調べて、考えて、中身を作り込む。地道な作業です。

けれど、この、お金のかからない仕込みが、いちばん長く、いちばん深く効きます。広告は、止めれば人も止まりました。仕込みは違います。一度しっかり作り込めば、その効きめは、ずっと残り続けます。

これは、中小企業にこそ、向いた道です。大きな会社のように、広告に大金を投じることはできなくても、手間をかけた仕込みでなら、十分に戦えるからです。

仕込んだ成果は、じわじわ、そして階段状に伸びる

では、しっかり仕込んで、公開後もコツコツ続けると、アクセスはどう伸びるのか。実際のグラフを、2つお見せします。

1つ目は、こういう形です。

アクセス解析例:じわじわ右肩上がり型

横が時間、縦が訪問者数
(※具体的な数字は非公開。形だけ見て下さい)

細かく上下しながらも、全体として、じわじわと右肩上がり。これは、コツコツと中身を足し、改善を続けた結果です。派手ではありませんが、着実に積み上がっていきます。

2つ目は、こういう形です。

アクセス解析例:階段状右肩上がり型

横が時間、縦が訪問者数
(※具体的な数字は非公開。形だけ見て下さい)

平らな時期が続いたあと、ぐっと一段上がる。また平らになって、また一段上がる。階段のような形です。これは、ときどき手を入れて(プチリニューアル)、ページを良くしていったときに見られる伸び方です。直すたびに、一段、上がるのです。

どちらも、広告のような、一発の急な打ち上げではありません。でも、止めても消えない、本物の伸びです。仕込みと改善の積み重ねが、こういう形になって、あらわれます。

公開後の改善まで、公開前に計画しておく

ここで、大事なことをお伝えします。これらのグラフが伸びているのは、公開してからも、手を止めなかったからです。

公開前の仕込みが大事、とお話ししてきました。でも、公開して、おしまいではありません。むしろ、公開してからのコツコツとした改善が、こうした右肩上がりや、階段状の伸びを作ります。

そこで、おすすめしたいことがあります。公開後に、どう改善していくか。その計画まで、公開前に立てておくのです。

たとえば、月に一度はアクセスを見て、反応の悪いところを直す。季節に合わせて、内容を入れ替える。少しずつページを増やしていく。こうした段取りを、作る前に決めておく。そうすれば、公開後に「さて、次は何をしよう」と迷わずにすみます。

第4章でお伝えした「やってみて、直す」を、続けるための準備です。仕込みとは、公開前の作り込みだけではありません。公開後も走り続けるための、計画づくりまでを含むのです。

派手ではないが、いちばん確実

公開前の仕込みは、地味な仕事です。広告のような、華やかさはありません。

でも、第5章で見てきた集客の道を、ぜんぶ思い出してください。検索も、SNSも、受け皿も、結局は、公開前にどれだけ調べ、どれだけ中身を作り込んだかが、ものを言いました。

派手な一手で、一気に、とはいきません。けれど、公開前に調べ、中身を作り込み、公開後もコツコツ直す。この地道さが、いちばん確実に、いちばん長く、会社を支えてくれます。

人を集める近道を探す前に、まず、足元を仕込む。それが、遠回りに見えて、いちばんの近道なのです。

筆者の余談

私が思う、理想のアクセスアップ

私には、こうなったらいい、という理想のアクセスの伸び方があります。今日は、それをお見せします。

まず、これが、実際のグラフです。

アクセス解析例:じわじわ右肩上がり+ピーク型

横が時間、縦が訪問者数
(※具体的な数字は非公開。形だけ見て下さい)

ベースは、コツコツ続けた右肩上がり(この図の大きさでは、ほぼ横ばいに見えますが、ほんのわずかずつ、微増しています)。そこに、ときどき、ぴょこんと高い山が出ています。これは、テレビに取り上げられたときなどの、一時的なピークです。

このグラフを、私なりに、わかりやすく誇張して描いてみました。

土台は、地道な努力による、右肩上がり。そこに、ときどきメディアのピークが乗る。広告を使わなくても、これだけ伸びる。私が思う、お金をかけない理想の形です。

そして、ここに、いろいろな伸びが加わっていきます。前にお話しした、SNSからの流入。話題になれば、そこからも人がやってきます。もし、有料の広告を打てば、その人数も上乗せされる。さらに、プチリニューアルで中身を良くしていけば、階段状に、また一段。

地道な土台の上に、こうした伸びがいくつも重なって、もっと大きな右肩上がりになります。それが、私の考える、最高の理想図かもしれません。

派手なピークだけを追いかける人がいます。でも、ピークは、一度きりで終わります。大事なのは、その下を支える、地道な右肩上がりのほうです。土台があるから、ピークも生きる。そう思いながら、私はいつも、この理想の形を、お客様と一緒に目指しています。

この記事のまとめ

コレだけ!1分で復習
  • いちばん効くのは、公開してからの宣伝より、公開する前の仕込み。成果はその前に決まる。
  • 調べてから作ると、公開した時点で、もう見つけてもらいやすい土台ができている。
  • 仕込みは、お金がかからず、いちばん長く深く効く。中小企業にこそ向いた道。
  • 仕込みと改善の成果は、じわじわ右肩上がり、そして階段状に伸びる。止めても消えない本物の伸び。
  • 公開後にどう改善するか、その計画まで公開前に立てておく。仕込みは公開後も走り続ける準備を含む。
  • 派手ではないが、いちばん確実。足元を仕込むことが、遠回りに見えていちばんの近道。
小田朋和
(有)イオアート 代表取締役・IT経営コンサルタント
人情の街として知られる東京都葛飾区を拠点に創業25年以上。中小企業経営者のIT経営をサポート。「売り込まない・中立・わかりやすく」をモットーに、経営者の隣でITを経営の力に変えるお手伝いをしています。行政機関・経営者団体・大学・高校からの講師依頼も多く、「難しいと思っていたITが、楽しく理解できた」という声をいただいています。「社長」よりも、「先生」と呼ばれることの多い25年でした。
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ツールを売り込んだり、いきなり大きな提案をしたりはしません。まず御社の今の状況をうかがって、何が問題で、何から始めるべきかを一緒に考えます。葛飾区で25年以上、経営者の隣でITを見てきたからこそできる、現場に寄り添った相談です。

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