A03-05:原稿・写真・実績の集め方
いい原稿は、いい素材から生まれます
ホームページの中身は、写真も文章も実績も、会社の中にしかありません。何をそろえておけばいいのか、集め方の選択肢を整理しておきます。
ホームページを作るとき、いちばん時間がかかるのが原稿集めです。デザインやシステムは制作会社が用意できますが、中身になる素材は、会社の中にしかありません。ここでは、文章・写真・実績・お客様の声、それぞれの集め方を整理しておきます。あらかじめ知っておくと、いざ作るときに慌てずにすみます。
文章は、書ける人が書く。苦手なら、任せる方法もある
まず文章です。これは、社長や社員の中に書くのが得意な人がいれば、その人が書くのがいちばんです。会社のことをいちばんよく分かっているのは、中の人だからです。
ただ、本業が忙しい中で原稿を書くのは、なかなか進まないものです。文章が苦手だという方も少なくありません。そういうときは、プロのライターに任せる方法もあります。当社の場合も、お話をうかがいながら、こちらで文章に書き起こすことがあります。
「書く」のが苦手でも、「話す」のは得意だという方は多いです。その場合は、話した内容を録音しておいて、あとから文章にする手もあります。最近は、録音した音声をその場で文字にしてくれるAIレコーダーも出てきました。こうした機器については、別のサイトで詳しく紹介しています。
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写真は、社内で撮るか、プロにお願いするか
次に写真です。商品や店舗、働く人の様子など、ホームページには写真が欠かせません。
写真には、大きく2つの集め方があります。ひとつは、社内で用意する方法です。スマートフォンのカメラもよくなりましたから、ちょっとしたコツをつかめば、社内でも十分に使える写真が撮れます。
もうひとつは、写真家や動画のカメラマンにお願いする方法です。たとえば、社長のプロフィール写真。会社の顔として長く使うものですから、プロに撮ってもらうと、表情も雰囲気もぐっと引き締まります。
商品の写真も、物によってはプロの腕が活きます。たとえば金属製品。光をどう扱うかが難しく、ふつうに撮ると、まわりの景色や撮っている人の姿が表面に映り込んでしまうことがよくあります。こうした撮影は、専用の機材と経験がものを言います。
会社の顔になる写真や、きれいに見せたい商品は、プロに頼む価値があります。予算と目的に合わせて、使い分けるとよいでしょう。
実績は、いちばんの財産
実績も、大事な素材です。これまでにどんな仕事をしてきたか、どんなお客様と付き合ってきたか。こうした積み重ねは、ほかのどの会社にも真似できない、その会社だけの財産です。
取引先の一覧、手がけた仕事の事例、受賞や認定の記録。あらためて並べてみると、自分たちでも気づかなかった強みが見えてくることがあります。こうした記録は、あとから集めようとすると意外に手間がかかりますから、日ごろから残しておくとよいでしょう。
新聞やテレビ、ラジオ、雑誌などで取材を受けたことも、ぜひ記録しておきたい実績のひとつです。第三者に取り上げられたという事実は、会社の信頼を大きく支えてくれます。
ただし、ひとつ注意があります。たとえばテレビの画面をそのままホームページに載せてよいかは、その番組の許可が必要です。取材を受けた時点で、何をどこまで公開してよいかを確認しておくと、後で安心して使えます。
お客様の声・社員の声は、「下げるとき」まで決めておく
お客様の声や、働く社員の声は、読む人の心を動かす力があります。会社が自分で「うちはいい会社です」と言うより、第三者の言葉のほうが、ずっと信じてもらえるからです。
ただ、これらを載せるときには、気をつけたいことがあります。
ひとつは、掲載には許可が必要だということです。お客様にせよ社員にせよ、ホームページに名前や言葉を載せる以上、本人の了承をもらうのが筋です。そのとき、どこまで出してよいかも一緒に確認しておきます。お名前は実名でいいのか、イニシャルがいいのか、顔写真は載せてよいのか。人によって考え方が違いますから、もらう時点ではっきりさせておくと安心です。
もうひとつ、見落としがちなのが、「下げるときのルール」を先に決めておくことです。
たとえば、社員の声を載せていた人が会社を辞めたら、どうするか。取引が終わったお客様の声を、そのまま残しておいてよいか。本人から「外してほしい」と言われたら、どう動くか。
載せるときは前向きな気持ちで進みますが、あとで下げる場面のことは、つい後回しになります。差し替える、削除する、別の人の声に入れ替える。こうした段取りをあらかじめ決めておくと、いざというときに慌てません。ホームページは、作って終わりではなく、ずっと付き合っていくものです。声の扱いも、その一部だと考えておくとよいでしょう。
広報の前に、記録しておいてください
これは、私がお客様によく申し上げることです。
いい写真も、お客様の声も、いざホームページを作るとなってから慌てて集めようとすると、間に合わないことがあります。あのとき撮っておけばよかった、あの言葉をもらっておけばよかった。そうならないために、ふだんから記録しておくことをおすすめします。
業種によっては、これが当たり前のところもあります。たとえば建築の現場では、行政に提出するために、工事の過程をたくさん写真に残しておかなければなりません。ただ、多くの会社はそこまで求められませんから、自分で意識しておくしかありません。
とくにおすすめなのが、お客様から仕事を受けたときに、写真撮影とホームページへの掲載許可を、その場でいただいておくことです。仕事が終わってから「あの件、写真を載せてもいいですか」と連絡すると、相手も忙しく、なかなか話が進まないものです。受注のタイミングで一緒にお願いしておけば、後から許可を取り直す苦労がぐっと減ります。
中には、もう一歩進んでいる会社もあります。「ホームページへの掲載を許可していただけたら、5パーセント割引」というように、お客様にメリットを用意して、声や事例を集めやすくしているのです。こうした工夫は、業種によってはよく合います。
筆者の余談
ずいぶん前のことですが、全国に約50店舗あるチェーン店のホームページを作らせてもらったことがあります。
困ったのは、店舗の写真です。北海道から沖縄まで、全部の店を私が回って撮っていたら、交通費だけでとんでもない金額になってしまう。かといって、店長さんに「適当に撮っておいてください」とお願いすると、写る角度も明るさもバラバラで、並べたときにちぐはぐになります。
そこで、撮り方をまとめた紙を1枚作って、全国の店長さんに送りました。よく晴れた日の、午後2時ごろ。お店の前の自転車やバイク、車をどかして、きれいな状態にする。お店の全景が入るように、正面から少し右か左に回り込んで、斜め45度くらいから撮る。フラッシュはたかない。
これだけお願いしただけで、送られてきた写真は、どれも見違えるようにそろっていました。プロが撮ったとまではいきませんが、ホームページに並べるには十分です。
写真は、お金をかけてプロに頼むこともできます。でも、ちょっとした工夫で、社内でもぐっと良くなる。あのとき、店長さんたちと一緒に作った1枚1枚を、今でもときどき思い出します。
この記事のまとめ
- 文章は、書ける人が書く。苦手なら、プロに任せたり、録音して起こす方法もある
- 写真は、社内で撮るか、プロにお願いするか。目的と予算で使い分ける
- 実績は、その会社だけの財産。メディア取材は公開範囲の確認を忘れずに
- お客様の声・社員の声は、許可と「下げるルール」をセットで決めておく
- 素材は、広報の前にふだんから記録しておく。受注時に掲載許可までもらうと楽