A04-02:社長は、アクセス解析の画面を見なくていい。

アクセス解析の画面、社長が見る必要はありません。

「解析って、なんだか難しそう」。そう感じている社長へ。あの画面とにらめっこするのは、社長の仕事ではありません。ただ、ひとつだけ覚えてほしい言葉があります。

目次

社長が、解析画面とにらめっこしなくていい

アクセス解析、と聞くと身構えてしまう方が多いです。横文字が並んだ画面、見たこともないグラフ。「これを毎日見て、自分で分析しないといけないのか」と思うと、気が重くなります。

でも、安心してください。あの画面を開いて操作するのは、社長の仕事ではありません。

前の記事で「社長が画面とにらめっこする必要はない」とお伝えしました。この記事では、その理由をもう少し詳しくお話しします。

結論から言うと、ホームページの数字には「集める仕事」と「決める仕事」があります。社長がやるべきなのは、後者だけです。

数字を「集める人」と「決める人」は別でいい

会社の数字を考えてみてください。

毎月の売上や経費を、社長が自分で電卓を叩いて集計しているでしょうか。多くの会社では、経理の担当者や税理士さんが数字をまとめ、社長はその資料を見て判断します。「今月は経費が増えたな、なぜだろう」「この部門が伸びている、力を入れよう」。社長の仕事は、出てきた数字を見て、次の手を決めることです。

アクセス解析も、まったく同じです。

画面を操作して、必要な数字を取り出して、見やすい資料にまとめる。ここは、専門の役割です。社長はその資料を受け取って、「このページがよく見られている」「問い合わせが増えてきた」と確認し、次にどうするかを決める。

数字を集める人と、数字を見て決める人。この2つは、分かれていていいのです。むしろ、社長が集める側に回ってしまうと、本来やるべき判断の時間が削られてしまいます。

その役は、社内にいなければ外に頼む

では、数字を集めて資料にまとめる役は、誰がやるのか。

社内に、その作業ができるスタッフがいれば、その人にお願いするのが一番です。ホームページの担当を決めて、月に一度、簡単な資料にまとめてもらう。社長はそれを見て判断する。きれいな役割分担です。

けれど、中小企業では、その役を担える人が社内にいないことも多いです。みんな本業で手一杯。解析の画面を任せられる人がいない。これは、よくあることです。

そういうときは、外に頼むのが現実的です。数字をまとめて、社長に分かる言葉で資料にして届ける。この部分を外部のパートナーが担えば、社長は判断に専念できます。当社の場合も、お客様に代わって数字を整理し、振り返りの場でご説明することがあります。

社内でやるか、外に頼むか。どちらが正しいということはありません。自社の状況に合うほうを選んでください。大事なのは、社長が画面に張りつくのではなく、判断に集中できる形を作ることです。

ひとつだけ、覚えてほしい言葉があります

画面は見なくていい。数字を集めるのも任せていい。そうお伝えしてきました。

ただ、ひとつだけ。社長に覚えてほしい言葉があります。

「コンバージョンレート」。日本語では「遷移率」といいます。

難しそうな言葉ですが、中身はとても素直です。これだけは知っておくと、出てきた資料の見方が変わります。逆に言えば、覚える言葉はこれひとつで十分です。

階段を、1段ずつ登ってもらう

コンバージョンレートを理解するには、階段を思い浮かべてください。

ホームページに来てくれたお客様には、1段ずつ階段を登っていただくイメージです。

まず、ホームページに何人の人が来たか。これが1段目です。
次に、そのうち、売りたい商品のページまで見てくれた人は、どれくらいの割合か。これが2段目。
そして、そのうち、実際に購入してくれた人は、どれくらいの割合か。これが3段目です。

1段目から2段目へ、2段目から3段目へ。お客様が次の段へ進んでくれた割合。これが、コンバージョンレート(遷移率)です。

この階段を見ていくと、どこでお客様がつまずいているかが見えてきます。

たとえば、商品ページまではたくさんの人が来ているのに、そこから購入に進む人がぐっと減っている。だとしたら、つまずいているのは3段目です。商品ページに、何か登りにくい段差があるのかもしれません。

逆に、よく登れている段もあります。そこは、なぜうまくいっているのかを考えて、さらに伸ばす工夫をする。

弱い段の割合を上げる。強い段の割合を、もっと上げる。この繰り返しで、同じ訪問者数でも成果は変わっていきます。

どう直すかという具体的な工夫は、また別の記事でお話しします。ここで覚えてほしいのは、「お客様は階段を一段ずつ登っている」「どの段の登り具合を見るか、それがコンバージョンレートだ」。この感覚だけです。

コンバージョン率とは?

数字は過去、社長が見るのは未来

ここまで、コンバージョンレートのお話をしてきました。けれど、最後にひとつ、お伝えしておきたいことがあります。

実は、アクセス解析をまったく見ない社長もいます。設定だけはしてあるけれど、画面は開かない。その代わり、お客様から届く声や、注文の傾向を肌で感じて、次の手を考えている。これも、立派な経営です。数字を見ないことが、間違いというわけではありません。

そして、もうひとつ。アクセス解析は、いろいろな角度から細かく分析ができます。便利な反面、そこにハマってしまうと危ない面もあります。数字をいじること自体が楽しくなって、気づけば経営の本質から遠ざかっている。これは、よく起きることです。

忘れないでほしいのは、アクセス解析が見せてくれるのは、あくまで「過去」のデータだということです。先月、何人が来て、どこでつまずいたか。それは、終わったことの記録です。

過去の数字を見て、これからどうするかを考える。未来を描くのが、社長の役割です。数字は、そのための材料にすぎません。材料に溺れず、材料を使って、次の一手を決める。

だから、解析の画面は見なくていいのです。コンバージョンレートという言葉ひとつを手元に置いて、あとは社長らしく、会社の未来を考えてください。

この記事のまとめ

コレだけ!1分で復習
  • アクセス解析の画面を操作するのは、社長の仕事ではない。
  • 数字を「集める人」と「見て決める人」は分かれていい。社長は決める側。
  • 集める役は、社内にいなければ外に頼むのが現実的。
  • 社長が覚える言葉はひとつ。「コンバージョンレート(遷移率)」。
  • お客様は階段を一段ずつ登る。どの段でつまずいているかを見て、弱い段を直す。
  • 数字は過去の記録。それを材料に、未来を考えるのが社長の役割。
小田朋和
(有)イオアート 代表取締役・IT経営コンサルタント
人情の街として知られる東京都葛飾区を拠点に創業25年以上。中小企業経営者のIT経営をサポート。「売り込まない・中立・わかりやすく」をモットーに、経営者の隣でITを経営の力に変えるお手伝いをしています。行政機関・経営者団体・大学・高校からの講師依頼も多く、「難しいと思っていたITが、楽しく理解できた」という声をいただいています。「社長」よりも、「先生」と呼ばれることの多い25年でした。
まず現状を聞かせてください

「うちはどこから手をつければいい?」
それを一緒に整理するところから始めます

ツールを売り込んだり、いきなり大きな提案をしたりはしません。まず御社の今の状況をうかがって、何が問題で、何から始めるべきかを一緒に考えます。葛飾区で25年以上、経営者の隣でITを見てきたからこそできる、現場に寄り添った相談です。

※葛飾区周辺(足立区・江戸川区・三郷市・八潮市・松戸市など)へは、初回訪問時の出張料も無料(それ以外の地域も対応しています。その場合は、交通費の実費だけご負担ください。)

  • URLをコピーしました!
目次