A01-02:ホームページとSNS・ポータルサイトの違い

SNSやポータルサイトだけで、足りていますか?

食べログ、ホットペッパー、Instagram、Googleマップ、LINE。便利な道具がそろった今、自社のホームページは本当に要るのでしょうか。答えを先にお伝えします。要ります。しかも、これらの道具と組み合わせてこそ、力を発揮します。

目次

便利な道具が、増えました

ひと昔前まで、お店や会社の情報を発信する場所は、自社のホームページくらいでした。

今は違います。飲食店なら食べログやホットペッパー、美容室や整体院ならホットペッパー、お店の場所を知らせるならGoogleマップ。写真で見せたいならInstagram、お客様とつながり続けるならLINE。どれも無料か、わずかな費用で始められます。

これだけそろっていれば、わざわざお金をかけてホームページを作らなくてもいいのでは。そう考える社長は、少なくありません。

その気持ちは、よくわかります。実際、これらの道具はとても優秀です。使わない手はありません。

ただ、1つだけ知っておいてほしいことがあります。それらはすべて、「借りた土地」だということです。

借りた土地と、自分の土地

ホームページのことを、前の記事で「家」にたとえました。住所がドメイン、土地がサーバー、建物が本体です。

この「土地」が、大事なところです。

食べログもInstagramもLINEも、その土地はあなたのものではありません。食べログという会社、Instagramという会社が持っている土地を、間借りして使わせてもらっている状態です。

借りた土地は、便利です。すでに人通りの多い場所に、すぐお店を出せます。整地も建築も要りません。

けれど、借りた土地には、借りた土地の弱さもあります。優秀な道具だからこそ、その性質を知っておくと、もっと上手に付き合えます。

借りた土地で、起こること

01. ルールが、向こうの都合で変わる

無料で使えていた機能が、ある日から有料になる。表示の順番を決める仕組みが変わって、急にお客様の目に触れなくなる。こうしたことは、これまで何度も起きてきました。あなたが決めたわけではないのに、ルールは向こうの都合で変わります。

02. 積み上げたものが、消えることがある

長く使ってきたアカウントが、ある日とつぜん止められる。投稿してきた写真も、集めてきた口コミも、まとめて見られなくなる。理由がよくわからないまま凍結された、という話は珍しくありません。サービスそのものが終われば、もっとはっきりと、すべてが消えます。

03. あなたの「お客様」は、あなたのものではない

ここがいちばん大事なところです。Instagramのフォロワーも、LINEの友だちも、名簿はその会社が持っています。あなたの手元には残りません。もしそのサービスを使えなくなったら、せっかくつながったお客様に、もう一度ゼロから連絡を取ることはできないのです。


借りた土地に建てた建物は、どれだけ立派でも、地主の一存で立ち退きになります。

自分の土地なら、積み上がる

ここで、自社のホームページに話を戻します。

自社のホームページは、自分で借りた土地(サーバー)に、自分の住所(ドメイン)で建てた、自分の建物です。

ここに載せた情報は、あなたの財産として積み上がっていきます。書いた記事も、載せた実績も、集めたお客様の声も、消えずに残ります。1年たち、3年たつほど、内容は厚みを増し、会社の信用になっていきます。

ルールは、自分で決められます。何をどう載せるか、誰に何を伝えるか。借りた土地のように、決められた枠に収める必要はありません。土地が自分のものだという事実は、それ自体が信用にもなります。

ただ、自分の土地にも、弱点が1つあります。

砂漠のど真ん中に建てた、ビル

自社のホームページは、たとえるなら、砂漠のど真ん中に建てた、自分のビルのようなものです。

土地も建物も自分のものですから、誰かに追い出される心配はありません。どれだけ立派に、どれだけ高く建てても自由です。財産として、ずっと残ります。

けれど、砂漠のど真ん中です。そのままでは、誰も訪ねてきません。立派なビルを建てただけでは、お客様は来てくれないのです。

ホームページを作ったのに問い合わせが来ない、という相談をよくいただきます。その多くは、ビルは建ったけれど、そこへ来る道がない状態です。

では、どうやって道を引くか。ここで、さきほどの「借りた土地」が、役に立ちます。

砂漠のビルに、道を引く

食べログもInstagramもGoogleマップも、すでに人通りの多い大通りです。たくさんの人が、毎日そこを行き交っています。

その大通りから、あなたのビルまで、道を引く。これが、SNSやポータルサイトの本当の役割です。

Instagramで写真を見て、興味を持った人が、ホームページで会社の人柄を確かめる。Googleマップで場所を知った人が、ホームページで詳しいサービスを読む。食べログで見つけた人が、ホームページで「ちゃんとした会社だ」と安心する。

大通り(SNS・ポータル)が、人をビルの近くまで連れてくる。ビル(ホームページ)が、その人にじっくり知ってもらい、信用を積み上げる。

役割が、違うのです。

ちなみに、ビルへ道を引く方法は、SNSやポータルサイトだけではありません。検索で見つけてもらう、ネット広告を出す、自社でブログを書く。道は何本もあります。それぞれの引き方は、この連載でこれから1つずつお話ししていきます。この記事で覚えてほしいのは、どの道を引くにしても、その先に自分のビルがなければ始まらない、ということです。

借りた土地は、人を集めるのが得意。自分の土地は、信用を積み上げるのが得意。だから、どちらか一方ではなく、両方を組み合わせます。

ビルがなければ、道を引いても、人は通り過ぎるだけ。道がなければ、立派なビルも、砂漠に埋もれたまま。

砂漠のど真ん中に、消えない自分のビルを建てる。そこへ、大通りから道を何本も引く。この2つがそろったとき、あなたの会社は、長く商売を続けるための、確かな足場を手に入れます。

この記事のまとめ

コレだけ!1分で復習
  • SNS・ポータルサイトは便利だが、すべて「借りた土地」。地主の都合でルールが変わり、止められることもある
  • 借りた土地では、フォロワーも友だちも、名簿は向こうが持っている。お客様はあなたのものにならない
  • 自社のホームページは「自分の土地」。載せた情報は財産として積み上がり、消えずに会社の信用になる
  • ただし自分の土地は、砂漠のど真ん中のビル。そのままでは人が来ない
  • SNS・ポータルは、そのビルへ道を引く道具。役割が違うから、両方を組み合わせて連携させる
小田朋和
(有)イオアート 代表取締役・IT経営コンサルタント
人情の街として知られる東京都葛飾区を拠点に創業25年以上。中小企業経営者のIT経営をサポート。「売り込まない・中立・わかりやすく」をモットーに、経営者の隣でITを経営の力に変えるお手伝いをしています。行政機関・経営者団体・大学・高校からの講師依頼も多く、「難しいと思っていたITが、楽しく理解できた」という声をいただいています。「社長」よりも、「先生」と呼ばれることの多い25年でした。
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